できない自分を許したら、もっとダメになると思っていませんか?

「私はすぐに投げやりになってしまう」
「どうせ続かないし、すぐにあきらめてしまう」
「怠け者で、だらしない自分を許したら、もっと怠けてしまいそう」

そんなふうに思っていませんか?

「自分に甘くしたら、成長が止まってしまう」
「もっと厳しくしないと、このままダメになってしまう」

そう思って、自分を叱咤しながら頑張っている人は少なくありません。

けれど実は、「できない自分を許せないこと」そのものが、行動できなくなったり、失敗を繰り返したりする原因になっていることがあります。

自分を責めれば責めるほど頑張れる、とは限らないのです。

許すことは甘やかすことではない

「こんな自分じゃダメ」
「もっとちゃんとしなきゃ」
「みんなはできているのに、どうして私はできないの?」

そうやって無理に自分を動かそうとすると、心の中ではずっと自分を攻撃し続けることになります。

これは思っている以上にエネルギーを消耗します。

体は休んでいるのに、頭の中ではずっと反省会。
何もしていないように見えても、心は疲れきっている。

その状態で、

「さあ、もっと頑張ろう」

と言われても、なかなか動けません。

そんなときは、

「今は動けないんだね」
「今日はやる気が出ないんだね」
「疲れているんだね」

と、まず今の自分の状態をそのまま受け止めてみます。

これは、「何もしなくていい」と開き直ることではありません。

今の自分を否定するのを、いったんやめること。

自分への攻撃が少しずつ止まると、「こんな自分には価値がない」という無価値感もやわらぎ、心に少し余裕が生まれてきます。

出来ない自分を責め続けるとどうなる?

自分を責めながら何かを始めようとする状態は、車でいうとアクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものです。

「やらなきゃ」
「頑張らなきゃ」
「何かを成し遂げなきゃ」

とアクセルを踏む一方で、

「失敗したらどうしよう」
「またできなかったら恥ずかしい」
「どうせ私なんて」

とブレーキも踏んでいる。

これでは、なかなか前に進めません。

そして行動できない自分を見て、

「ほら、やっぱり私はダメなんだ」

と、また自分を嫌いになる。

そこから、

「どうせ無理」
「やっても意味がない」
「もうあきらめよう」

という無力感が出てきます。

すると、失敗するのが怖くなり、新しいことにも挑戦しにくくなる。

できない → 自分を責める → 自信をなくす → 行動できない → また自分を責める

という悪循環に入りやすくなるのです。

必要なのは、もっと強くアクセルを踏むことではありません。

まずは、自分で踏んでいるブレーキを少しゆるめることです。

自分を受け入れるための3つの心得

ステップ1:行動と自分の価値を切り離す

何かができなかったとき、

「私はダメな人間だ」

と考えてしまうことがあります。

でも、

「今日はできなかった」

ことと、

「私には価値がない」

ことは、まったく別の話です。

行動には、うまくいく日もあれば、うまくいかない日もあります。

失敗することもあります。
途中でやめることもあります。
予定どおりに動けない日もあります。

それでも、あなた自身の価値まで下がるわけではありません。

できなかったのは“行動”であって、“あなたそのもの”ではない。

ここを切り離して考えることが、とても大切です。

ステップ2:否定の言葉をストップする

何かできなかったとき、無意識に自分へこんな言葉を投げかけていませんか?

「ほんとにダメだな」
「またできなかった」
「だらしない」
「私は意志が弱い」

私たちは、他人から言われたら傷つくような言葉を、自分には平気で何度も言ってしまうことがあります。

まずは、それに気づくだけでも十分です。

「あ、今また自分を責めているな」

と気づいたら、

「今日はできなかったんだね」
「思ったより疲れていたのかもしれないね」

と、少しだけ言葉を変えてみてください。

いきなり前向きになる必要はありません。

ただ、自分を傷つける言葉を減らしていく。

それだけでも心の状態は変わってきます。

ステップ3:安心感の土台をつくる

人は、安心できているときのほうが本来の力を発揮しやすくなります。

逆に、

「失敗したら責められる」
「できなかったら価値がない」

という状態では、挑戦すること自体が怖くなります。

だから、

「失敗しても大丈夫」
「今日はできなくてもいい」
「またやり直せばいい」

と思える心の土台をつくることが大切です。

深呼吸をする。
温かいお茶を飲む。
少し休む。
体を伸ばす。

そんな小さなことで構わないんです。

「今の私は、少し休んだほうがいいみたい」

と、自分の状態に合わせて行動する。

すると少しずつ、

「じゃあ、ここだけやってみようかな」

という気持ちが戻ってくることがあります。

自分を受け入れるとは、ずっと止まり続けるためのものではありません。

もう一度動き出すために、安心できる場所へ自分を戻してあげることなのです。

まとめ

「こんな自分を許したら、もっとダメになる」

そう思う人ほど、これまで自分を厳しく律することで頑張ってきたのかもしれません。

でも、自分を責め続けて前に進むには限界があります。

できないときには、

「今はできないんだね」

と、いったんその自分を認める。

それは甘えでも、あきらめでもありません。

いったん立ち止まり、本当に前へ進むための土台を整えている時間です。

自分を許すとは、

「このままで何もしなくていい」

ということではなく、

「できない自分も見捨てずに、また一緒に歩いていく」

ということなのだと思います。

責められながら歩くよりも、

「大丈夫。またここから始めよう」

と言ってもらえるほうが、人はずっと動きやすくなります。

その言葉を、まずは自分自身にかけてあげてください