第4話|いい人をやめたいのにやめられない人の心のクセ

境界線が引けないイメージ

「もう無理しないようにしよう」
「いい人をやめよう」

そう思ったのに、
気づくとまた引き受けている。
また合わせている。
また笑っている。

そんな経験はありませんか。

これは意志が弱いのではありません。
心のクセが働いているだけです。


■ 「いい人」は性格ではなく、生き方のパターン

いい人でいようとする人は、
もともと優しい気質もあります。

でもそれだけではありません。

多くの場合、

  • 空気を読む力
  • 相手を優先する習慣
  • 波風を立てない選択

を繰り返してきた結果です。

つまり「いい人」は、
生きるために身につけた適応パターンです。


■ いい人でいると、関係が安全だった

過去の環境の中で、

  • 逆らわない方がうまくいった
  • 我慢した方が受け入れられた
  • 合わせた方が怒られなかった

こうした経験が重なると、
心は学習します。

合わせれば安全
主張すると危険

だから自動的に、
“いい人モード”が起動します。


■ 役割が固定されると、境界線は弱くなる

いい人でい続けると、
周囲からの期待も固定されます。

頼めばやってくれる人
断らない人
我慢できる人

こうして役割ができあがります。

すると境界線を引こうとした時、
強い違和感と罪悪感が出ます。

それは、

役割から外れようとする不安

です。


■ 「本当の気持ち」がわからなくなる

合わせることが続くと、
自分の感情より先に、

相手の都合
相手の期待
相手の評価

を見ます。

すると次第に、

「私はどうしたいか」

がわからなくなります。

これは境界線が弱くなっているサインです。


■ いい人をやめるとは、冷たい人になることではない

ここで誤解が起きやすいのですが、

いい人をやめる
= 冷たくなる

ではありません。

そうではなく、

自分も含めて大切にする人になる

ということです。


■ 境界線を取り戻す最初の一歩

最初の一歩は小さくて大丈夫です。

・すぐ返事をしない
・いったん持ち帰る
・「考えます」と言う
・体の反応を見る

これだけでも、
境界線は動き始めます。


■ 次回はここを扱います

第5話では、
境界線を守りながら関係を続けるには
どうしたらいいのか。

次の記事では、

境界線は冷たさではない|関係を壊さず距離を取る方法

を扱います。

境界線シリーズ|順番に読みたい方へ

人間関係の疲れや生きづらさは、
境界線(心の距離)のあいまいさから生まれることがあります。
順番に読むと理解が深まりますよ。

▶ 第1話|境界線とは何か
▶ 第2話|顔色をうかがう優しさが境界線を越える理由
▶ 第3話|境界線を引くと嫌われると思ってしまう心の仕組み
▶ 第4話|いい人をやめたいのにやめられない人の心のクセ(この記事)
▶ 第5話|境界線は冷たさではない|関係を壊さず距離を取る方法