【第4話】自分責めをやめるには、記憶の意味を見つめ直すこと|インナーチャイルドとの対話

深層心理のイメージ

対話とは、気持ちを聞くだけではない

対話とは、
ただ気持ちを聞くだけではありません。

ときには、
心に残っている記憶の意味を、
今の自分の視点から見つめ直すことも含まれます。


脳は、強い感情と結びついた記憶を残す

脳は、
自分にとって重要だと感じた出来事ほど、
強く記憶に残します。

特に、恥ずかしかった体験や、
自信をなくした出来事は、
「私はこういう人間なんだ」という思い込みと結びつきやすいものです。


記憶は、大人になってから見え方が変わる

けれど、大人になった今、
もう一度その記憶をたどってみると、
違う見え方が生まれることがあります。

私にも、幼稚園の頃、
ハーモニカがうまく吹けなかった記憶があります。

でも、よく思い出してみると、
あの日は、生まれてはじめて習った曲だったのです。

先生はたしか、

「はじめて吹くから難しいですよね。でも、リズムに合わせて口を動かしていくうちに、吹けるようになりますよ」

と声をかけてくれた気がします。


記憶は正確さより、意味が大切

古い記憶なので、
正確ではないかもしれません。

けれど、そうだったかもしれない、
と心が思い出したのなら、
それもまた、今の自分に必要な記憶のかたちなのだと思います。

もしかしたら、
クラスの中で一番、リズムをつかんでいたのは私だったのかもしれない。


子どもの記憶は、感情が中心になる

子どもは、大人のように広い視野で物事を見ることができません。

だからこそ、
強く印象に残った感情だけが、
記憶として心に残ることがあります。

一週間前の夕飯は思い出せなくても、
誕生日の出来事は覚えているのと同じです。


当時の自分に、今の自分が声をかける

私はあの日、家に帰って、
母に「うまく吹けなかった」と話しました。

母は責めませんでした。

今の大人の私が、
当時の母に声をかけるとしたら、

「リエちゃんは、失敗すると自信をなくしやすい子みたいだから、
大人になったら困らないように、今のうちにたくさん励ましてあげようよ」

そう言うと思います。

そして母はきっと、

「はじめて習った曲なのに、前に出て吹けたなんて素晴らしいよ」

そう声をかけてくれたのではないでしょうか。


記憶を見つめ直すと、心はほどける

こうして記憶を見つめ直していくと、
インナーチャイルドは少しずつ目を覚まします。

できない自分ではなかった
失敗は恥ではなかった

そう感じられたとき、
心の奥の緊張がほどけていきます。


記憶の意味を更新するということ

インナーチャイルドとの対話は、
過去を変えることではありません。

過去の意味をやさしく更新する作業です。

その変化が、
今の自分の感じ方や行動に影響を与え、
未来を変えていく力になります。


では、
どうすればインナーチャイルドと安心して対話できるのでしょうか。

最終話は
心との向き合い方と、
日常でできる小さな実践についてお話しします。

変わろうとする前に、
心が安心する関わり方を見つけていきましょう。
▼自分責め感情シリーズ読み物*第5話自分責めをやめたい人が見落としている心の仕組み