※ここでいうトラウマとは、医学的な大事故や災害(PTSD)などの大きなトラウマだけでなく、幼い頃に怖かったことや傷ついた経験など、日常で心にブレーキをかけている「心の傷や固まった思い込み」全般を指してお話しします。
トラウマを「消そう」と戦っていませんか?
トラウマを乗り越えよう、手放そうと必死になればなるほど、苦しくなるというお話をします。
トラウマというと、思い出すたびに人生を停滞させてしまうような、怖くてやっかいな過去の出来事というイメージがありますよね。
怖い体験や、笑いものにされたこと、恥ずかしい思いをしたこと。
でも、もしトラウマがあなたを痛めつける悪者ではなく、**あなたを守るために作られた「防衛システム」**だったとしたらどうでしょうか。
幼い頃や強い衝撃を受けたとき、傷つきすぎて心が壊れてしまわないよう、「二度とこんな目に遭わないぞ」とあなたが自分を守るために作った頑丈な盾なのです。

例えば、幼い子供にとっては「犬に追いかけられたこと」だって、命の危険を感じるほどの大事件でした。だからこそ、心は必死にあなたを守る防衛システム(トラウマ)を作ったのです。
あなたはトラウマがあるからこそ、命がけで自分を守り、生き抜いてきたという「強さの証明」です。
悪者にせず、「今まで守ってくれてありがとう」とそっと抱きしめてあげることから、本当の安心が始まります。
「自分で作った」と言うと自分責め(自責)に聞こえるかもしれませんが、真相は真逆です。
かつては危険区域(過去の出来事)からあなたを守ってくれた優秀な警備員。
しかし、安全になった「今」も過剰警戒を続けて、少しの刺激で「危険だ!」と警報を鳴らしてしまう。これがトラウマの生きづらさの正体です。
トラウマを排除しようとすることは、命がけで自分を守ってくれた「警備員(=自分の一部)」に向かって、「お前なんか出ていけ!」と拒絶することと同じです。
それはまるで自分の影と戦っているようなもの。戦えば戦うほど、あなたは疲弊してしまいます。
だからこそ、戦うのではなく、警備員が納得できるように——
「今まで守ってくれてありがとう。もう危険な状態は脱したから、大丈夫だよ」 と、お暇をあげられるくらいの余裕を持って、自分の心に声をかけてあげたいですね。

トラウマは、受け入れてくれるのを待っている
トラウマに必要なのは、無理に消すことでも戦うことでもありません。
ただ「そこにある」と認め、ねぎらうこと。
「あの時は、こうやって自分を守るしかなかったんだね」
「今まで守ってくれてありがとう。でも、もう今は大丈夫だよ」
こうやって拒絶をやめ、存在を受け入れたとき、過剰だった警報機能(トラウマ反応)は自然と静まり、ただの「過去の思い出」へと昇華していきます。
まとめ:トラウマは、あなたが生き抜いてきた証
トラウマを抱えているということは、あなたがそれだけ命がけで自分を守り、今日まで生き抜いてきた「強さの証明」です。
本当は、トラウマはあなたを生きづらくさせる敵ではなく、当時のあなたが少しでも生きやすくするために作られた盾でした。
だから、もう戦わなくて大丈夫。 「今まで守ってくれてありがとう」とそっと抱きしめてあげたとき、あなたの心に本当の安心が戻ってきます。




