子育てで感情が爆発した父親が向き合ったもの

※この記事は、いろんな方のカウンセリングを元に
心の動きを伝えるために構成した創作です。
「誰にでも起こり得る心の反応」として読んでいただけたら幸いです。
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【前の記事の続きです】

娘を叩いてしまった瞬間、
胸の奥で何かが強く反応していました。

それは怒りというより、
抑え込んできた感情が、一気にあふれ出た感覚でした。

娘は、わがままで、元気で、
僕に甘えてきていました。
それは、本来とても子どもらしい姿だったはずです。

本当は、
「見てほしい」
「構ってほしい」
「そばにいてほしい」
ただそれだけだったのだと思います。

けれど「僕」は、
その娘の子どもらしさを受け止めることができず、
まるで娘を否定するかのように、手をあげてしまいました。

叩いたのは娘でしたが、
拒んでいたのは、
娘と重ね合わせた「子どもだった頃の自分」だったのかもしれません。

「僕」は、そのとき思い出していました。

子どもの頃、
父親の顔色をうかがい、
怒らせないように、
必死で「いい子」でいようとした自分を。

わがままを言えば叱られ、
感情を出せば否定され、
「我慢できる子」でいることで、
家の中の居場所を守ってきました。

娘の姿は、
かつて自分ができなかった姿、
許されなかった姿と、
重なっていたのです。

娘に怒っていたのではなく、
ずっと我慢してきた自分の感情に、怒っていたのだと。

子育ての壁は、
「娘をどう育てるか」という問題ではありませんでした。

「自分は、どんな子どもだったのか」
「自分はどんな親に育てられ、「僕」になったのか」
そこに目を向けることが、
避けてきた本当の課題だったのです。

このことに気づいたとき、
「僕」の中で、何かが少しだけ緩みました。

すぐに優しい父親になれたわけではありません。
感情がなくなったわけでもありません。

でも、
怒りが湧いたとき、
その奥にある感情を、
少し立ち止まって見られるようになりました。

子育ては、
子どもを育てる時間であると同時に、
自分の子ども時代を生き直す時間でもあります。

「僕」の子育ての壁は、
これからも形を変えて現れるでしょう。

けれど今は、
ただぶつかるだけの壁ではなく、
自分を知るための入り口として、
その壁を見ることができています。


(カウンセラーより)
だからこそ、
感情を整理する必要があるのだと、私は思います。

怒りを抑えるためでも、
立派な親になるためでもありません。

ただ、
自分の中で置き去りにしてきた感情に、
もう一度、きちんと目を向けるためです。

感情を整理するとは、
過去を責め直すことではありません。
親を悪者にすることでもありません。

あのときの自分は、
そうするしかなかった。
それほど必死だった。

そう理解できたとき、
人は初めて、
同じ場面で少しだけ違う選択ができるようになります。

娘のわがままに腹が立ったとき、
そこに反応している
「自分の中の感情」に気づけるようになります。

それだけで、
人生は大きく変わらなくても、
同じ壁に、同じぶつかり方をしなくなるのです。

感情を整理することは、
自分を正すことではなく、
自分を理解すること。

子育ての壁も、
人生の壁も、
乗り越えるためにあるのではなく、
自分を知るために、そこにあるのだと思います。

だから私は、
感情を整理する時間を大切にしています。

それは、
誰かを変えるためではなく、
自分を取り戻すための時間だからです。(おわり)

※DVを容認している記事ではありません。

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