私にも、誰にも言えない過去があります。
恥ずかしかったこと、否定された出来事、うまくいかなかった経験、深く傷ついたこと…。
「もう終わったこと」と思っていても、
そういう記憶って、心の奥のほうにそっと残り続けるんですよね。
そして不思議なことに、
そのとき言えなかった気持ちや、押し込めた感情が、
今の私の考え方や行動に、静かに影響していることがあります。
「どうして、過去を思い出す必要があるの?」
「昔のことを見つめ直すと、なぜ未来が変わるの?」
それには、ちゃんと理由があります。
過去を封印すると、何が起きるのか
つらかった感情を長いあいだ押し込めることを、心理学では
**「感情の抑え込み」**と言います。
でも、抑えた感情って、消えるわけじゃないんです。
ただ、表に出てこなくなるだけ。
行き場をなくした感情は、
無意識の奥にしまわれて、気づかないうちに行動や選択に影響します。
たとえば、
昔、誰かに強く否定された経験を心の奥にしまい込んでいると、
「また否定されたらどうしよう」
「失敗したら恥ずかしい」
そんな不安が無意識に働いて、
本当はできることにもブレーキをかけてしまうことがあるんです。
意識している自分と、していない自分
私たちの心には、大きく分けて二つの働きがあります。
ひとつは、
「朝だから起きよう」
「今日はこれをしよう」
と考えている 意識できる心(表の自分)。
もうひとつは、
心臓を動かしたり、食べたものを消化したり、
寝ている間も休まず体を守ってくれている
**意識しなくても働いている心(無意識)**です。
実は、私たちの日常の行動や選択の多くは、
この「無意識」によって決まっていると言われています。
「心の土台」が現実をつくっている
ここで大切なのが、
無意識のさらに奥にある 「心の土台(無意識の前提)」 です。
これは、
「私はどんな人間か」
「私はどう扱われる存在か」
という、無意識の自己イメージのようなもの。
たとえば、子どもの頃のつらい経験から
・私は弱い
・私は恥ずかしい存在
・私は大切にされない
そんな思い込みが、気づかないうちに
心の土台として出来上がってしまうことがあります。
すると不思議なことに、
そのイメージに合った出来事を、
大人になってからも繰り返し体験しやすくなるんです。
現実は、こうして変わっていく
でも希望もあります。
過去の出来事を思い出して、
「あのとき本当はどう感じていたんだろう?」
「別の見方はできないかな?」
と、少し違う角度から見つめ直すことで、
無意識は少しずつ書き換わっていきます。
心の土台は、すぐには変わりません。
時間も、やさしさも必要です。
でも実は、
子どもの頃のネガティブな出来事の中にこそ、
心の土台を変えていくヒントが隠れているんです。
過去を責めるためではなく、
今の自分を楽にするために。
その視点で、そっと向き合ってみることが、
未来を変える第一歩になります。