――親も一緒に育っていた、という話
親の役目は何でしょう。
よく言われるのは、
「子どもを自立させること」。
自分で生きていける力をつけること。
お金を稼ぎ、社会と関わり、
誰かを大切にできるようになること。
頭ではわかっていました。
でも、実際の子育ては、
そんなきれいな言葉どおりには進みません。
反抗期は、正直しんどい
子どもは未熟です。
でも、親だって完璧ではありません。
だから、
悩みも、葛藤も、衝突も起きる。
今思えば、
子育てとは
未熟な者同士がぶつかりながら進む時間
だったのだと思います。
反抗期の子どもを見ると、
つい思ってしまう。
「どうして、こんな態度なの?」
「ちゃんとしてほしい」
「親の気持ちも考えてよ」
そうやって、
反抗=悪いもの
と思っていました。
子どもは、ちゃんと成長していた
少し前、
久しぶりに子どもたちと
テーマパークへ出かけたときのことです。
昔は、外出するたびに大変でした。
誰かが拗ねる。
誰かが怒る。
誰かの機嫌が直ると、別の誰かが不機嫌になる。
正直、
「子連れで出かける=疲れる」
という記憶しか残っていませんでした。
でもその日は、違いました。
社会人、大学生、高校生。
兄弟で楽しそうに回り、
私たち夫婦は、夫婦で別行動。
「あ、もうこんなふうになっているんだ」
胸の奥で、
静かに驚きました。
いちばん大変だった、あの子のこと
特に長男とは、
思春期の入り口で
本当に激しい衝突がありました。
「どうして、この子はこんなに反抗するの?」
そう思わずにはいられないほど、
自己主張が強く、
いつも尖っていました。
正直、
そのエネルギーを
勉強か部活に使ってくれたら…
と思ったこともあります。
私はいつしか、
腫れ物に触るように
気を遣い、神経をすり減らしていました。
それは、
もう傷つきたくなかったから。
後から気づいたこと
心理を学んで、
はっとしたことがあります。
私は息子に、
「生まれたときから反抗期」
というレッテルを貼っていた。
反抗期=悪い
という前提で見ていれば、
子どもは、その役を演じ続けます。
まるで
「ほら、やっぱりそうでしょ」
と証明するかのように。
息子が
「お母さんは決めつける」
と言ったとき、
胸が痛みました。
反抗期は、自立の準備期間
子どもが自立するとき、
心の中では大きな作業が起きています。
親の価値観を疑い、
否定し、
「自分は違う」と言えるようになること。
それは、
親を嫌いになることと
紙一重です。
でも、
それができないと、
本当の意味で
親から離れられない。
「親みたいにはならない」
「自分は違う生き方をする」
その思いが、
生きるエネルギーになります。
親の心も、同時に育っていた
反抗期がなければ、
子育ては楽だったかもしれません。
でも、
人は密接な関係ほど、
離れるときに痛みます。
子どもは、
親の「嫌なところ」だけを見て、
怒ります。
それでも、
それができる相手は
親しかいない。
私は、
子どもに腹を立てながら、
同時に
親としての心も育てられていた
のだと思います。
反抗期は、悪ではない
反抗期は、
子どもが親から離れていくための
必要な時間。
親にとっては、
一時的に
「悪者(ヒール)」になる役割。
でも、
その役を引き受けたからこそ、
子どもは外の世界へ出ていける。
そして不思議なことに、
自立した子どもは、
また親のもとへ戻ってきます。
今度は、
対等な距離で。
まとめ
- 反抗期は失敗ではない
- 感情が揺れるから、心は育つ
- 親も一緒に成長している
今、あなたの心をかき乱している相手は、
あなたを成長させている存在かもしれません。
私も、
あの頃の自分に
「よくやってたよ」と
そっと声をかけたいです。

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