知り合いに犬を買っていた人がいます。
かわいい小型犬でした。
長く一緒に過ごしてきた、大切な存在だったそうです。
家族ですからね。
老犬になり、最期のとき。
仕事から帰ると、もう息をしていなかった。
「最期にそばにいられなかったことが、心残りなんです」
多くは語らないけれど、
その一言に、ずっと残っている思いがにじんでいました。
最近は、夜の時間を持て余しているそうです。
「一人って、寂しいよ」
ぽつりと、そんな言葉がこぼれました。
ペットとの別れは
本当につらいものです。
世話をすることで
愛を与えていると思っていた。
失ってみると、やってあげていただけではなく、
あの小さな存在からも
自分は癒やされて、愛されていたことに改めて気づく。
そんな時、
もっと一緒にいてあげたかった
何かいい方法はなかったのか
ああしていれば、こうしていればと
頭の中ではもう叶わない理想の情景が
イメージとして繰返されます。
こんな時に感じているのが
無価値感というものです。
行き場のない感情は、
心の中に残り続けます。
悲しみだけでなく、
「もっとできたのではないか」
「足りなかったのではないか」
そんな思いが、自分に向いていきます。
世話をする人、必要とされる人。
その立場がなくなったとき、
ぽっかりと空いた感覚が残る。
その空白の中で、
自分の価値が信じられなくなる。
このように、大切な家族を亡くしたときも
強い喪失感とともに
自分には価値がないと思ってしまうのです。




