― 怖さの正体は、強さではなかった ―
「モラハラ夫」と聞くと
・妻を振り回す言動
・性格が悪い
・自己中心的
・冷酷
そんなイメージを持つ方が多いかもしれません。
けれど、心理を学び、
そして実際に多くの相談を聞いてきた中で、
私はこう感じるようになりました。
モラハラの根っこには、“歪んだ父性”があることが多いのだと。
それは「健全な父性」ではなく、
育ちきれなかった父性です。
父性とは本来「大きな器」である
父性とは、本来
・家族を安心させる
・外の世界から守る
そんな役割を持つものだと、私は思っています。
声を荒げなくても、
威圧しなくても、
「大丈夫」という安心を感じられる存在。
それが、夫であり、父親なのでは?
モラハラ夫は「支配」することが当たり前になっている
モラハラをする夫の場合、
いつの間にか
・正しさ
・管理
・上下関係
・恐怖
が自分のすべてになっていると思います。
「俺の言うことが正しい」
「逆らうのは間違っている」
それは強さではなく、
不安を隠すための支配です。
自信のなさを威圧で覆う未成熟さ
モラハラ夫の多くは、
実はとても不安が強い人です。
・否定されるのが怖い
・弱さを見せられない
・自分の価値に自信がない
だからこそ、
強く振る舞わなければ保てない。
怒鳴る、責める、見下す——
それは「強さ」ではなく、
心が未成熟な人の防衛反応なのです。
ところで、
幼い頃の私にとって、父はとても怖い存在でした。
令和の時代なら、もれなくモラハラ扱いされた言動ばかりでした。
大人になり、心理を学ぶ中で、
「父もまた、厳しい父親に育てられた昭和の男だったのかもしれない」
そう思うようになりました。
それは父を許すためではなく、育てられた環境に思いをはせてあげられた
という感覚です。
まとめ
モラハラ夫を、
ただ「悪い人」と切り捨ててしまうのは簡単です。
切り捨てられずに苦しんでいる人もいるかもしれません。
その背景にある父親のそのまた親を考えてみると
見え方が少し変わります。
それは、
「我慢しなさい」という話でも
「理解しなさい」という話でもありません。
その背景にある
父親、そしてそのまた親の世代に目を向けてみると、
見え方が少し変わります。
モラハラ夫に育ってしまう
子育ての負のループを、ここで断ち切りたいものです。