以前職場で、
「この人、全然周りのことを気にしていないな」と
感じる人に出会ったことがあります。
人の目を気にせず、
自分のペースで動いている。
言いたいこともはっきり言うし、
評価や空気にも左右されていないように見える。
そんな姿を見ると、
「いいな」
「自分もああなりたい」
そう思ったことがありました。
でも、ここで一つ
大きな誤解をしていました。
気にしない人=強い人
とは限らないということです。
実際に私は、
この「自由に見える人」と一緒に働く中で、
違和感を覚える場面がありました。
ルールを説明された直後に、
上司の前で突然走り出して、現場へ行ってしまう。
掃除の時間には、
一つの場所を一心不乱に磨き続ける。
でも一方で、
簡単な作業ができなかったり、
やったことを覚えていなかったりする。
また、
「褒めてください」と言ってきたり、
自分はバカだから忘れるんです、と言ったり。
かと思えば、
急に真顔で人生観のような話を始めて、
悟っているようなことを言うこともある。
一見すると、
「自由に言いたいこと、やりたいことをやっている人」
のように見えます。
でも、実際に関わってみると、
そこには一貫した軸があるわけではなく、
その場その場の感覚で動いている印象の人に変わりました。
ただの自己チューだったのです。
ここで大事なのは、
本当に心が安定している人は、
自由にふるまっているのだけど、
・自分の感情や状態に気づいていて
・相手の立場も想像できて
・その上でどうするかを選ぶことができている
のです。つまり、
自由な言動を、自分をわかった上で
「選んでいる」のです。
「今、私は気にしているな」
「ちょっと怖いと思っているな」
そんなふうに、
まず自分の内側に起きていることに気づきます。
その上で、
・今回は言わずに様子を見よう
・ここは一度確認してみよう
・あえて自分の意見を伝えてみよう
と、行動を選んでいきます。
ここには、
「どう思われるか」ではなく、
「どうしたいか」という視点があります。
一方で、
自由に見えるけれど不安定な人は、
・自分の感覚で動いているけれど
・気持ちや感情が整理されていない
・周りへの影響に気づきにくい
そのため、
「なぜそうしたのか」が自分でもわからず、
その場の流れで行動してしまいます。
だから、
言動に一貫性がなくなり、
周りとのズレが生まれるのです。
周りは「自分勝手だ」と思うのです。
ここを混同してしまうと、
不自由さを解消したいと悩む人が
「気にしない人になれば楽になれる」と思って、
自分を無理に変えようとしてしまいます。
でも実際は、
思うがままの言動の人と
心が整っている人の言動は違います。
あなたが苦しいのは、
周りを気にしすぎるからではなく、
ちゃんと感じる力があるからです。
そしてその力は、
本来とても大切なものです。
大事なのは、
周りの空気を感じないようにすることではなく、
感じた上で、
「どうしたいか」を自分で決めることです。
それが、
他者基準から抜けていく本当の方向です。
▶ 第4話では、
他者基準から抜けられない本当の原因
「無価値感がつくる心のクセ」についてお伝えします



