― 悩みや短所だと思っていたものが、人生のテーマに変わるまで ―
日本の女性は、
スキンケアやダイエットなど、体のメンテナンスにはとても敏感です。
けれど、
心のメンテナンスとなると、どうでしょうか。
「気の持ちよう」
「そのうち慣れる」
「我慢が足りないだけ」
そんな言葉で流されて、
自分の心の違和感を後回しにしてきた人は、少なくないと思います。
悩みがあるのは、弱いからではない
欧米では、
失恋をしたときや、夫婦喧嘩をしたときに
「心を落ち着かせるため」にカウンセリングを受ける文化があります。
特別な人が行く場所ではありません。
心が揺れたときに、立て直すための場所です。
話を聞いてもらうだけで、
少し楽になることってありますよね。
女性は特に、
「わかってもらえた」と感じるだけで、
悩みが軽くなることがあります。
私は、日本でも
美容院に行くような感覚で、
心の話ができる場所が増えたらいいなと思っています。
本音を出さないと、いつか苦しくなる
日本では、
「仕事がつらい」と言えば甘えだと言われ、
「人が苦手」と言えば根性がないと言われる。
本音を出すほど、
生きにくくなる空気があります。
その結果、
わかってもらえない苦しさを、
さらに弱いところへぶつけてしまう。
人にきつく当たったり、
家庭の中で感情が爆発したり。
自分を大切にできないまま、
周りの人を大切にしようとして、
うまくいかなくなる人を、たくさん見てきました。
「ダメな私」というレッテルの正体
私自身、自己啓発の世界で
- 依存的
- 経済力がない
- わがまま
そんな言葉を投げられました。
「変わらなきゃいけない」と思って、
思考を修正したり、新しいことに挑戦したり。
でも、思うようには変われず、
自信だけが削られていきました。
心理分析を通して、
自分の本音を見つめ直したとき、
見えてきたものがあります。
頼る私がいたから、
夫は「家族を支える役割」を担えたこと。
経済力がなかったから、
節約の工夫をしながら暮らす力が身についたこと。
「わがまま」だと思っていた部分は、
自分の気持ちを大切にしようとする力だったこと。
(もしかしたら、私、よく頑張ってきたのかもしれない)
そう思えたとき、
心が少し、ほどけました。
嫌な自分ほど、人生のテーマを持っている
自分を客観的に見つめると、
「嫌だと思っていた性格」が、
そのまま「私らしさ」に変わることがあります。
- 殻に閉じこもりやすい
- 人前で話すのが苦手
- 変わりたいのに元に戻ってしまう
- 人の意見に流されやすい
こうした部分を嫌えば嫌うほど、
同じテーマが、形を変えて人生に現れます。
それが「課題」と呼ばれるものです。
課題は、
無理に克服しなくても、
心の見方が変わると、自然に消えていきます。
悩みは、思っているよりシンプル
悩みは、とても複雑に感じます。
けれど多くの場合、
最初は小さな「ひっかかり」から始まっています。
ある言葉に傷ついた。
その言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
「ずっと言われている」ような感覚になり、
自分を責め続けてしまう。
だからこそ、
大きな悩みも、
小さな視点の変化で動き出します。
足を縛られたゾウの話
サーカスのゾウは、
実は簡単に逃げられる力を持っています。
けれど、子どもの頃から
小さな杭につながれて育つと、
「ここまでしか動けない」と思い込んでしまう。
杭が外れても、
ゾウは同じ範囲を歩き続けます。
縛っていたのは、
縄ではなく、思い込みでした。
私たちの心の中でも、
同じことが起きています。
心のメンテナンスという選択
思い込みに気づくと、
価値観は少しずつ変わっていきます。
苦手だった人の見え方が変わったり、
自分を責める声が弱くなったり。
それが、心のメンテナンスです。
悩みをなくすことが目的ではありません。
悩みに振り回されなくなること。
それが、
心理分析でできることだと、私は思っています。
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