職場で、こんな人がいました。
手作りパンの話になり、
以前私が差し入れしたパンを思い出してくれた方がいました。
「同じYouTubeを見て作ってみたけど、うまく焼けなかった」
そう言いながら、こう続けました。
「オーブンレンジが悪いのかもしれない」
「砂糖を、最近てんさい糖に変えたからかな」
さらに、
忙しい息子さん夫婦のために、ときどき
夕食をつくってあげているそうです。
すると、息子さんから
「お母さんのは味が一定していない。今日のは甘すぎた」
と言われたそうです。
その人は、
「味が一定しないのは、計量スプーンが悪いのかも」
とも話していました。
その話を聞きながら、私はこう感じたのです。
“できない理由”を、ずっと外に探しているなと。
できない理由を外に探すと、何が起きるのか
もちろん、道具や環境の影響はあります。
でもそれだけではありません。
本当は、
・慣れていない
・感覚がまだつかめていない
・経験が足りない
ただそれだけのことでも、
人は自分を守るため
「何かのせい」にしたくなることがあります。
なぜなら——
そのほうが、
自分を否定せずにすむからです。
完璧にやろうとする人ほど苦しくなる
その方は、普段の仕事でも
・細かいところにとてもよく気がつく
・一つ一つを丁寧にやろうとする
・納得いくまで手を止めない
そんな姿が印象的でした。
でも同時に、
・時間を忘れてしまう
・全体の流れが遅れる
・終わったあとに疲れ切っている
そんな場面も何度も見てきました。
これは決して能力の問題ではありません。
むしろ逆で、
「ちゃんとやりたい」という気持ちが強い人ほど起こりやすい状態です。
なぜ“できていない”と感じてしまうのか
ここにあるのは、
ただの料理の話ではなくて
もっと深い心のクセです。
・ちゃんとできていないとダメ
・失敗してはいけない
・人にどう思われるか気になる
こうした前提があると、
少しでもうまくいかないと
「原因探し」が始まります。
そしてその矛先は、
・道具
・環境
・やり方
・他人
へと向かっていきます。
本当は、できていないのではない
でも実際は、
ただ「途中」なだけです。
パンも、料理も、仕事も、
最初から安定してできる人はいません。
それでも、
完璧を求める気持ちが強いと
“途中の状態”を許せなくなるのです。
投影という心の働き
今回の話で印象的だったのは、
「味が一定していない」と言われたことでした。
これは一見、息子さんからの評価のように見えますが、
見方を変えると、
自分自身が自分に向けている評価でもあります。
・安定していないとダメ
・毎回同じようにできないと価値がない
さしずめ、息子さん夫婦へ食事は、
お店で食べるような、完璧なものを
用意しないといけない・・。そう思っていたのかも。
そんな基準があると、
他人の言葉を通して
自分を責め続けてしまうことがあります。
これを心理では「投影」と呼びます。
無価値感があると、こうなる
この背景にあるのは、
「ちゃんとできない私は価値がない」
という感覚です。
だからこそ、
・うまくできない理由を探す
・道具や環境のせいにする
・正解を外に求め続ける
という状態になります。
でもそれでは、
いつまでも安心できません。
本当に必要なのは「感情の整理」
必要なのは、
やり方を変えることではなく、
感じている不安や怖さに気づくことです。
・うまくできなかったらどうしよう
・ダメだと思われたくない
・役に立たないと思われたくない
こうした気持ちがあるままでは、
どれだけ道具を変えても、
どれだけ方法を学んでも、
同じことが繰り返されます。
まとめ
できない理由を外に探しているとき、
本当は心の中で、
「できない自分を受け入れられていない」
ということが起きています。
そしてそれは、
努力不足でも、性格の問題でもありません。
ただ、
今までそうやって自分を守ってきただけです。
まとめ
もしあなたも、
・うまくいかない理由を探してしまう
・正解ばかりを求めてしまう
・できていない自分に厳しくなる
そんな状態があるなら、
それは「心のクセ」によるものかもしれません。
感情を整理していくことで、
同じことの繰り返しから抜け出すことができます。
続きの記事も書きました。↓
▼第2話「ちゃんとやらなきゃ」が止まらないのか——完璧主義の正体






