昭和の男は、なぜ妻を「女中代わり」にしてしまうのか

結論から言うと、
本人の性格が悪いからでも
愛情がないからでもない場合が多いです。

多くは、
1.そうする以外の「夫のあり方」を教えられていない
2. 自分の弱さを出せない構造で育っている
この2つが重なっています。


昭和の家庭は「役割分業」が絶対だった

昭和の家庭では、

  • 男→外で働き、稼ぐ
  • 女→家を守り、世話をする

この役割が疑いなく正解でした。

妻は

  • 家事
  • 育児
  • 夫の身の回り
  • 感情のケア

すべてを担う存在。

つまり、家庭の中で
妻=生活を回す係
夫=何もしなくていい存在
という構図が、最初から刷り込まれているのです。

本人は
「使っている」
「女中扱いしている」
という自覚すらないことも多いのです。


② 母親が「全部やってくれる存在」だった

昭和の男は、

  • 食事が出てくる
  • 洗濯が終わっている
  • 部屋が片付いている

これを
努力の結果ではなく、当たり前の環境
として育っています。

だから結婚後も、
無意識に
「妻がやるもの」
と認識してしまう。

これは
学習の問題であって、
性格の問題ではありません。


③ 感情労働をすべて妻に丸投げしている

ここが、いちばん根深いところです。

昭和の男は、

  • 弱音を吐くな
  • 甘えるな
  • 男は黙って働け

と育てられています。

つまり、
● 自分の感情を処理する術を
●学んでいない

その結果、

  • 不機嫌
  • 無言
  • 怒り
  • 不満

これらを自分で消化できず
妻に受け止めさせてしまう。

家事だけでなく、
心の世話係も妻は求められる。

これが、
「女中代わり」に見える正体です。


④ 夫本人は「依存している自覚」がない

厄介なのはここです。

  • 何もしていない自覚がない
  • 世話されている感覚がない
  • むしろ「俺は頑張っている」と思っている

だから指摘されると、

「俺だって働いているだろう!」

と逆ギレになる。

これは、
役割=愛情
という昭和的価値観が原因です。


⑤ 妻が苦しくなる理由

妻側は、

  • 感謝されない
  • 当たり前扱いされる
  • 断ると責められる

それでも我慢してしまう。

なぜなら、

  • 家庭を壊したくない
  • 波風を立てたくない
  • 私が我慢すればいい

という、
これまた昭和的な「良妻像」を
背負わされているからです。


ここで大事なこと

これは
「昭和の男が悪い」
という話ではありません。

昭和という時代が作った男性像です。

そして今も、

  • 役割を疑わない人
  • 話し合いができない夫婦
  • 感情を言語化できない男性

この構造は、
まだ多くの家庭に残っています。


じゃあ、どう考えたらいいのか

大切なのは、

  • 夫を教育し直すことでも
  • 妻が我慢し続けることでもなく

「これは性格ではなく、構造だ」と知ること

知るだけで、
自分を責めなくて済むようになります。


カウンセラー視点でひとこと

「私が至らないから大切にされない」
ではありません。

あなたが苦しいのは、
一人で二人分の役割を背負わされているからです。

気づいた人から、
この構造を言葉にしていく。
それだけでも、十分意味があります。

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