妊娠の話、勝手に広めないで|つわりとプライバシーと境界線の話

妊娠中の体調は、外からはわからない

つわりがひどい人は、日によって体調がまったく違います。

今日は少し楽。
食欲もある。
動ける気がする。

そう思って家事や買い物をがんばると、
あとからドッと反動が来ることもあります。

病院では「ホルモンバランスですね」と言われる。
でも、その一言では片づけられないつらさがあります。

妊娠中の不調は、
経験した人にしかわからない部分があるのも事実です。


心配のふりをした“探り”にしんどくなる

ある職場でのこと。

つわりがつらそうな社員さんに、年配の方が何度も声をかけていました。

「最近疲れてない?」
「顔色悪いけど大丈夫?」
「連休どこか行った?」

一見やさしい言葉ですが、
横で聞いていると、どうも“確認したい空気”がある。

――もしかして妊娠しているのでは?
――言わせたいのでは?

そんな探りです。

聞かれている本人は、
はっきり言いません。

言いたくないからです。

妊娠の話は、あっという間に広まるから。


おめでたいこと=勝手に広めていい、ではない

妊娠は確かにおめでたいことです。

でも、
「おめでたい=誰にでも話していい話」ではありません。

本人が誰に伝えるか、
いつ伝えるか、
どこまで話すか。

それは本人の権利です。

それなのに、

「いいじゃない、おめでたいことなんだから」

この一言で、境界線を越えてくる人がいます。

悪気がないのが、またやっかいです。


「子どもはまだ?」がプレッシャーになる人もいる

いまでも普通に聞いてくる人がいます。

「子どもはまだ?」
「予定は?」
「そろそろじゃない?」

聞く側は軽い雑談。
でも、言われる側は軽くありません。

体調のこと。
仕事のこと。
夫婦のこと。
タイミングのこと。

いろいろ抱えています。

だからこそ、

興味本位の質問は、心に負担をかけます。


わかってほしい。でも、そっとしておいてほしい

つわりのつらさは、わかってほしい。
しんどさも理解してほしい。

でも同時に、

必要以上に踏み込まれたくない。
勝手に広められたくない。
探られたくない。

そんな気持ちもあります。

妊娠はとても個人的な出来事です。

そして――
とても噂話の種になりやすい話題でもあります。

だからこそ、

やさしさは「聞き出すこと」ではなく、
そっとしておくことの中にある場合もあります。