― がんばりすぎてきたあなたへ ―
Aさん、メールを送ってくださってありがとうございます。
これまで本当によく頑張ってこられましたね。
お仕事を辞め、ご家庭に入られてからも、
気持ちが晴れない日が続き、
さらにお子さんとの関わり方に悩まれているとのこと。
とても苦しい毎日だったのではないでしょうか。
まずお伝えしたいのは、
今のあなたの状態は「弱さ」ではないということです。
統合失調症について、少しだけ整理しますね
統合失調症は、
心が弱いから起こる病気ではありません。
脳がとても敏感になり、
情報や感情をうまく整理できなくなっている状態だと
考えられています。
・考えがまとまらない
・人との距離感がわからなくなる
・やる気が出ない
・自分を責めてしまう
こうした反応は、
あなたが怠けているからでも、努力不足でもありません。
がんばりすぎてきた心のサイン
Aさんはこれまで、
とても一生懸命、人に合わせ、
期待に応えようとしてきた方だと感じます。
その優しさや真面目さが、
知らず知らずのうちに心を疲れさせてしまったのかもしれません。
「ちゃんとしなきゃ」
「迷惑をかけてはいけない」
そんな思いを、
ずっと一人で抱えてきませんでしたか?
心を安定させるために大切なこと
今のAさんに必要なのは、
自分を変えようと頑張ることではなく、
自分を安心させてあげることです。
安心感は、
・信頼できる人との関係
・規則正しい生活
・小さな「できた」を重ねること
から少しずつ育っていきます。
ご主人の存在は、
Aさんにとって大きな支えになっているようですね。
どうか「頼ってはいけない」と思わず、
安心できる場所として大切にしてください。
「愛されていなかった」という思い込みに気づく
これまでの人生を振り返ると、
「私は十分に愛されてこなかった」
そんな思いが心に残っているかもしれません。
でも、
やってもらえなかったことよりも、
やってもらっていたことを
少しずつ思い出してみてください。
最初はピンとこなくても大丈夫です。
無理に感謝しなくてもいいのです。
「そういえば、あれは助けてもらっていたな」
そんな小さな気づきで十分です。
大人の心と、子どもの心
人の心の中には、
・しっかりしなければ、という大人の心
・甘えたい、守ってほしい子どもの心
この両方が存在しています。
どちらも悪いものではありません。
ただ、これまでAさんは
「しっかりしなければ」の気持ちを
とても強く使って生きてこられたのではないでしょうか。
疲れてしまうのも、無理はありません。
実は、心のしくみの考え方の中には、
「本当の自分」と「表に出している自分」のズレが
大きくなりすぎた時、
心や体に不調として現れることがある、
という捉え方もあります。
本当は
「疲れた」「休みたい」「甘えたい」
そう感じているのに、
表の自分が
「頑張らなきゃ」
「休んではいけない」
「甘えちゃいけない」
と、真逆の役割を続けていると、
心の中で無理が重なってしまうのです。
このズレに気づき、
内側の自分の本音を否定せずに受け止め、
少しずつ行動に反映していくことを、
**「統合していく」**と表現することもあります。
自分を責めないでください
過去のことを思い出して、
「あの時、うまくできなかった」
「幼かったかもしれない」
そう感じることがあっても、
自分を責める必要はありません。
それは、
不安が強かっただけ
一生懸命だっただけ
優しさがあっただけです。
小さなセルフケアの提案
・夜は少し早めに休む
・朝、同じ時間に起きる
・軽く体を動かす
・外の空気を吸う
完璧にやろうとしなくていいです。
「今日はこれができた」で十分です。
最後に
私がお伝えできるのは、ここまでです。
治療については、
これからも主治医の先生の指示を大切にしてくださいね。
Aさんは、
もう一度、ゆっくり自分を立て直していける方です。
どうか、
「治さなきゃ」ではなく
「いたわろう」という気持ちで
日々を過ごしてみてください。
心から、応援しています。
どうぞ、おだいじに。
(後記)
その後、お子さんの学校役員に挑戦されたと聞き、
とても嬉しく思いました。
それは、Aさんが少しずつ
社会と安心して関われる力を取り戻している証拠です。