無理にポジティブにならなくていい理由
「ネガティブな感情を持ってはいけない」
「もっとポジティブに考えられたらいいのに」
そう思えば思うほど、
前向きになれない自分を責めてしまう人は多いのではないでしょうか。
インナーチャイルドを扱うカウンセリングの中でも、
ネガティブな感情を思い出すことが不安
過去を掘り下げるのが怖い
という声は少なくありません。
でも、まず知っておいてほしいのです。
ネガティブな感情は、悪者ではありません。
ポジティブ思考が「正しい」と思い込んでいませんか?
私たちはいつの間にか、
- ポジティブ=良い
- ネガティブ=よくない
という価値観を刷り込まれています。
そもそも「ポジティブがいい」って誰が決めた?
学校、職場、SNS、自己啓発。
あらゆる場面で「前向きでいること」が推奨されてきました。
その結果、
ネガティブな感情を持つこと=弱さ
のように感じてしまう人もいます。
けれど、感情は本来、
「良い・悪い」で分けるものではありません。
感情に良い・悪いはない
嬉しい、楽しい、安心する。
悲しい、不安、怒り、寂しさ。
これらはすべて、
人が自然に感じる感情です。
ネガティブな感情も「心の反応」
ネガティブな感情は、
あなたを困らせるために生まれたものではありません。
- 危険を避けるため
- 無理をしていることを知らせるため
- 心の奥の声に気づかせるため
そうした大切な役割があります。
ポジティブ思考にハマると起こること
一見、いつも明るく前向きな人。
でもその裏で、
- 不安を感じないふり
- 怒りをなかったことにする
- 悲しさにフタをする
そんなふうに、自分の感情を押し込めている場合もあります。
無理なポジティブは「自分へのウソ」になる
「こんな気持ちじゃダメ」
「前向きにならなきゃ」
そうやって感情をジャッジし続けると、
本当の自分の気持ちが、わからなくなってしまいます。
これは、心にとってかなり苦しい状態です。
ネガティブになれる人は、実はとても誠実
ポジティブになれなくて、
「自分はダメだ」と落ち込んでいる人。
私は、そういう方を
むしろ立派だと思っています。
なぜなら、自分の内側をちゃんと見ているから
不安や怖さに気づく。
違和感をごまかさない。
苦しさを感じ取っている。
それは、自分に正直であろうとしている証拠です。
無理に明るく振る舞うより、
よほど誠実な態度だと私は感じます。
インナーチャイルドとネガティブ感情の関係
インナーチャイルドを扱うカウンセリングでは、
ネガティブな感情はとても重要な入り口になります。
ネガティブな感情は「過去の自分からのサイン」
- わかってほしかった
- 我慢してきた
- 本当は怖かった
そうした思いが、
不安や悲しさ、怒りとして表に出てくることがあります。
ネガティブな感情は、
癒されるために現れているのです。
無理に明るくならなくていい
無理に元気にならなくていい。
無理に前向きに考えなくていい。
ネガティブな感情があるときは、
「今、そう感じているんだね」と
自分に言ってあげるだけで十分です。
感情を否定しないことが、回復の第一歩
感じることを許す。
押さえ込まない。
評価しない。
それだけで、
心は少しずつ緩んでいきます。
ポジティブもネガティブも、どちらもあなた
ポジティブな自分も、
ネガティブな自分も、
どちらもあなたの一部です。
どちらかを消そうとしなくていい。
どちらかを正そうとしなくていい。
まとめ|ネガティブなあなたのままで大丈夫
ネガティブな感情に目を向けているあなたは、
すでに自分と向き合う力を持っています。
無理なポジティブ思考で自分を押さえ込むより、
今の気持ちをそのまま認めること。
そこから、
インナーチャイルドとの対話は始まります。
無理に変わらなくていい。
まずは、感じている自分を否定しないことからでいいのです。