― 心のしくみから見た「ありがとう」の力 ―
最近、私は
「ありがとう」を意識して言うようにしています。
親切にしてもらったら
「ありがとう」と言う。
それは、ごく当たり前のことなのですが。
以前の私は、
つい「すみません」と言ってしまうことが多くありました。
この「すみません」は、
謝っているつもりではなく、
感謝の気持ちを含んだ言葉です。
けれど、心のしくみから見ると、
そこにはほんの少し
「迷惑をかけてしまったかも」
「私は下の立場かもしれない」
そんな無意識の前提が
含まれていることがあります。
言葉は、
ただの音ではなく、
自分が自分に向けて発している
メッセージでもあります。
そこで私は、
「ありがとう(ありがとうございます)」を
はっきり言葉にすることを
意識してみました。
今まで全く言ってこなかった
わけではありません。
職場では
「失礼します」
「お疲れさまです」
「ありがとうございます」
必要な言葉は、
きちんと使ってきました。
でも、ふと気づいたのです。
家庭の中では、
改まって
「ありがとう」を
あまり言っていなかったな、と。
「ありがとう」を意識してみると、
不思議な変化がありました。
職場でも、
私は思っていた以上に
「ありがとう」と
言ってもらっていたことに
気づいたのです。
無意識のうちに、
受け取っていたけれど、
ちゃんと受け取れていなかった
感謝の言葉。
私のほうが
軽く流していただけ
だったのかもしれません。
そこで、
「どーもー」
「すいませーん」
と済ませていた場面でも、
きちんと
「ありがとうございます」と
言葉にしてみました。
すると、
こだまのように
「ありがとう」が返ってきました。
心のしくみで言うと、
これは不思議な現象ではありません。
人は、
自分がどんな前提で
世界を見ているかによって、
受け取れる現実が変わります。
「私は迷惑をかけている存在」
という前提でいると、
感謝は見えにくくなります。
「私は受け取っていい存在」
という前提に立つと、
同じ現実でも
感謝が自然と目に入ってくるのです。
「私、
こんなに“ありがとう”を
もらっていたんだ」
そう気づけたことが、
とても嬉しかった。
ありがとうを
たくさん言える自分を
少し取り戻したようで、
今度は自分自身にも
「ありがとう」と言ってみました。
今日は美容院へ行きました。
マスクを外した顔は、
口角が下がり、
ほうれい線がくっきり。
鏡に映る自分を見て、
こっそり口角を上げて
にっこり笑う練習をしました。
担当してくれた美容師さんは、
声が大きくて
少し苦手だなと思っていた人。
でも、
ヘッドスパがとても気持ちよくて、
一瞬、眠ってしまったみたい。
このお兄さんにも、ありがとう。
今日を
「ありがたい一日だった」と
感じられたのは、
現実が変わったからではなく、
私の心の前提が
少し変わったからなのかもしれません。
言葉は、
静かに、確実に、
自分の心を整えていきます。
これが、
「ありがとう」の
言霊の力なのだと思います。






