第1話で
無価値感は「考え方」ではなく、
心に残った“感覚”だとお伝えしました。
では、その感覚はどこから生まれるのでしょうか。
無価値感には、ほぼ例外なく
背景となる体験があります。
今日はその“根っこ”を整理していきます。
親との関係の中で生まれる無価値感
いちばん多いのは、
子ども時代の関係性です。
たとえば、
・気持ちより結果を評価された
・がんばっても認められなかった
・弱音を受け止めてもらえなかった
・比較された
・正しさで押さえられた
これは、親が悪いという意味ではありません。
ただ子どもの心は、
「そのままの自分で大丈夫」
という感覚を受け取れないと、
存在価値に不安を持ちます。
そしてこの感覚は、
大人になっても残ります。
評価と条件付き承認の積み重ね
無価値感は、
「できたら認められる」
「役に立てば愛される」
という体験が続くと強くなります。
たとえば、
・いい子でいる時だけ褒められた
・成果がある時だけ評価された
・迷惑をかけると冷たくされた
すると心は学習します。
・役に立たない私はダメだ
・できない私は価値がない
これは思考ではなく、
生存戦略としての心の学習です。
喪失体験が無価値感を強めることがある
大切な存在との別れも、
無価値感を深める大きな要因になります。
・親の死
・突然の別れ
・ペットロス
・関係の断絶
・救えなかったという後悔
このとき心に残るのは、
悲しみだけではありません。
・自分は何もできなかった
・守れなかった
・足りなかった
という感覚です。
ここから、
無力感と無価値感が結びつきます。
体験をどう意味づけたかで残り方が変わる
同じ出来事でも、
どう受け取ったか
どう意味づけたか
で、心への残り方は変わります。
たとえば——
「できる限りやった」
と受け取った人と、
「自分のせいだ」
と受け取った人では、
残る感覚がまったく違います。
感情が整理されないまま時間が経つと、
意味づけは固定されます。
これが、
長く続く無価値感の正体です。
私の無価値感はこのとき大きくなりました
私の場合は、父が亡くなったときのことが
無価値感をつくり出していたと気づきました。
亡くなったあと、何十年も
もっと何かできたのではないか
私が強く、父を守ってあげていたら
あのとき、知識があれば父の願いをくんであげられたのに。
心の底で、自分はあのとき無力だったとずっと思ってきたのです。
無価値感は「心を守った跡」です
でも今ならはっきりと言えます。
無価値感とは、
壊れた心ではなく、
守った心の跡です。
・傷つかないため
・見捨てられないため
・関係を失わないため
心が選んだ反応です。
だから、自分を責めることではないのです。
必要なのは、
ほどいて理解することです。
次回:がんばっている人ほど無価値感が強い理由
次回は、
・なぜ努力家ほど無価値感が強いのか
・なぜ外から見えにくいのか
・反応パターンとの関係
ここを整理します。





