「自分の性格は、親の育て方で決まったんだ」
「家庭環境のせいだ」と思ったことはありませんか?
たしかに、私たちの性格や行動パターンは、子どものころの家庭環境に強く影響されています。
でも実は、それを「どう受け取るか」「どう行動するか」は、
子どもなりに一生懸命“戦略”を立てていた結果なのです。
親に愛されるための“生きる戦略”
子どもにとって、親は絶対的な存在です。親に嫌われたら、おやつがもらえない、怒られる、無視される、最悪の場合、家から追い出されるかもしれない。
そんな本能的な恐れがあるからこそ、
「どうしたら愛されるか?」を無意識に考えて行動するようになります。
「お母さんが笑ってくれるのはどんなとき?」
「怒られないようにするには、どうしたらいい?」
「どうすれば褒めてもらえる?」
こうして、子どもは本能的に、親にとって“都合のいい子”になる方法を探し始めるのです。
これは、愛されたいという気持ちと、
生き延びたいという本能が合わさった「生きるための戦略」なのです。
兄弟・姉妹ごとに変わる“戦略”
同じ親に育てられても、兄弟や姉妹で性格がまったく違うということ、よくありますよね。
それもそのはずで、子どもは家庭内のポジションや状況を見ながら
自分に合った“戦略”を選んでいるからです。
たとえば、第一子は「いい子」でいることで
親に褒められることが多い傾向があります。
弟や妹が生まれると、親の注目がそちらに向かうので、
「しっかりしなきゃ」「頑張らなきゃ」と、
責任感の強い性格になりやすいのです。
一方、下の子は上の子と同じやり方では勝てません。
そこで、甘え上手になったり、
要領よく立ち回って怒られないようにしたりして、
自分なりの“愛されるポジション”を探していきます。
さらにその下に生まれた末っ子は、親の注意を引くために、
あえて体調を崩しがちになったり、
「弱い自分」でいることで心配してもらおうとすることもあります。
こうして、一人ひとりが無意識のうちに
「この性格でいれば、愛してもらえる」
「こう振る舞えば、大丈夫」と、自分自身で性格を“選んで”きたのです。
「私はこういう人間だから」と思い込んでいませんか?
でも、大人になった今でも、「私はこういう性格だから」「要領よくやらないと不安」「がんばらないと価値がない」と思ってしまうことがありますよね。
でも、それって本当に今でも必要な性格でしょうか?
それは、子どものころに身につけた
“生き延びるための知恵”だったのかもしれません。
そしてそれは、当時は必要だったかもしれないけれど、大人になった今では、もう手放してもいいものかもしれません。
性格は変えられる。“今の自分”で選び直していい
大切なのは、「私は、親の顔色をうかがう必要のある子どもではもうない」ということに気づくことです。
子どものころに作り上げた性格や振る舞い方は、あなたを守ってくれていました。でも今のあなたは、もう自分で生き方を選べる年齢です。
「人に気を遣いすぎて疲れてしまう」
「ちゃんとしないと不安になる」
「本音を言えない」
そんな自分に気づいたら、「どうしてそうなったのか」
振り返ってあげてください。
そして、「もうその戦略は手放しても大丈夫だよ」と、
そっと自分に声をかけてあげてください。
性格は変えられます。
そしてそれは、「変わる」というより
「本来の自分に戻っていく」ことなのかもしれません。
▼関連記事*子どもを育てながら、自分も癒されていく――インナーチャイルドと向き合う子育て