片づけと物欲の話|欲があるから整えられる

片づけやミニマル生活の話題を見ていると、
「欲を減らさなければいけない」
そんな印象を持つことはありませんか?

以前、片づけの専門家のインタビューを読んだとき、
「私はミニマリストではないので物欲はあります」
と答えていて、少し驚きました。

物を厳選して暮らしている人は、
欲も少ない人だと思い込んでいたからです。

でも考えてみると、
これはとても自然なことでした。


欲は悪いものではない

「ときめく物を選ぶ」ということは、
心が動く対象があるということ。

つまり、欲があるということです。

欲は、生きるエネルギーです。

・食べたい
・休みたい
・誰かとつながりたい
・これが欲しい

どれも人間らしい感覚です。

欲があるから、選べます。
欲があるから、行動できます。


問題なのは“欲”ではなく“無自覚”

物欲そのものが悪いのではありません。

苦しくなるのは、
自分でも気づかないまま動かされているときです。

たとえば――

・限定と言われると欲しくなる
・半額シールで急に必要になる
・広告を見ると不安になる
・持っていないと遅れている気がする

これは欲というより、
刺激に反応している状態です。


基準があると、欲は味方になる

「ときめくかどうか」
「本当に使うか」
「今の自分に必要か」

こうした基準を持っていると、
欲はブレーキがかかります。

欲を我慢するのではなく、
欲を選べるようになるのです。

すると、こう言えます。

「私、物欲ありますよ。
でも、自分で選んでいます」

これはとても健全な状態です。


罪悪感があると、片づけも買い物も苦しくなる

・また買ってしまった
・捨てられない私はダメ
・減らせない私は弱い

こうやって自分を責めながら整えようとすると、
必ず疲れます。

片づけも、買い物も、
本来は暮らしを楽にするためのもの。

罪悪感を増やすためのものではありません。


手放す体験が「選ぶ力」を育てる

実際に手放してみると、

・なくても平気だった
・やっぱり必要だった
・これは大事だった

と、自分の基準が育っていきます。

この体験の積み重ねが、
「自分で選ぶ力」になります。

完璧なミニマリストになる必要はありません。

欲があっていい。
迷っていい。
試していい。

その中で、自分の心地よさが見えてきます。


片づけは、心に正直になる練習

物を選ぶことは、
気持ちを選ぶことでもあります。

流行ではなく、
他人の正解でもなく、

「私はどうしたい?」

ここに戻ってくる作業です。

それが、本当の意味での整えるということだと思います。


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