糖質制限を続けていた頃、
私は「血糖値を上げないこと」が正しいと思っていました。
だから、
・ごはんは食べない
・甘いものは食べない
・果物も控える
とにかく、血糖値が上がるものを排除する。
それが健康への近道だと信じていたのです。
実際、数値だけを見れば
血糖値はある程度コントロールできているように見えました。
けれど、体の中では
別のことが起きていました。
糖を使う力が落ちていった
本来、糖は
体にとって大切なエネルギーです。
食べた糖は、血液に乗って全身に運ばれ、
細胞で使われて「エネルギー」に変わります。
つまり、問題は
「糖を摂ること」ではなく、
「糖を使える体かどうか」
なのです。
しかし私は、
糖を入れないことで
糖を使う力そのものを弱らせてしまっていました。
久しぶりに食べた“普通の食事”で起きたこと
あるとき、およばれの席で
久しぶりに普通の食事をいただきました。
ごはんや甘いものも、少し。
そのとき、
リブレ(血糖値測定)で確認すると、
血糖値が一気に急上昇していたのです。
「やっぱり糖質は怖い」
そう思いました。
でも本当は違いました。
怖かったのは「糖」ではなかった
でも、問題は、
糖を処理できない体になっていたこと
だったのです。
体の働きは、
使うことで保たれ、使わないことで衰えていくのだと、
あとから気づきました。
たとえば、筋肉も動かさなければ落ちていきますし、
脳も使わなければ働きが鈍くなっていきます。
使ったり、鍛えていないと、
少しの負荷でもしんどくなり、
そのうち「できない状態」に慣れてしまう。
それと同じことが、
糖の代謝でも起きていたのだと思います。
糖を制限し続けたことで、
糖をエネルギーに変えて巡らせる力そのものが、
少しずつ弱くなっていた。
そしてそれは、
糖質制限の先生からの助言と、
自分の体で起きていた変化の両方から、
はっきりとわかっていきました。
だからこそ、久しぶりに「普通の食事」をとったとき、
体がうまく処理できずに、
血糖値が大きく揺れたのだと気づきました。
血糖値に振り回されていた
リブレの数値を見るたびに、
・上がった
・下がった
・これはダメだった
・あれは良かった
と、一喜一憂していました。
本来は、
「体の状態を知るための数値」
だったはずなのに、
いつの間にか、
「自分を評価する基準」
になってしまっていたのです。
正しさの中で、体の声を無視していた
私は、
・正しい食事をしている
・我慢もしている
・努力もしている
そう思っていました。
でも実際は、
体の声をまったく聞いていませんでした。
・本当は食べたい
・もっとエネルギーが欲しい
・無理をしている
そんなサインに、気づこうとしていなかったのです。
制限すればするほど、整わなくなる
皮肉なことに、
体のためにやっていた制限は、
体を整えるどころか、
体のバランスを崩していました。
糖を入れないことで、
糖を使えない体になる。
そして、ますます不安になり、
さらに制限する。
これは、
体だけの問題ではありませんでした。
体の問題の奥にあったもの
私はこのあと、
もっと大きなことに気づきます。
それは、
「心の状態」も血糖値に影響している
ということでした。
・緊張しているとき
・ストレスを感じているとき
・我慢しているとき
実は、そんなときにも
血糖値は上がっていたのです。
つまり、
体だけを整えようとしても、
うまくいかなかった理由は
心と体がつながっているから
でした。
次回予告
血糖値が高い、
糖尿病は、食べ物だけの問題ではありません。
生活習慣病ではなく、心の習慣病だなと
今は思っています。
「どう生きているか」
「どんな感情を抱えているか」
「生きる価値を見いだしているか」
その影響を強く受けているからです。
私はここでようやく、
体を整えるには、心も見ないといけない
ということに気づきました。
次回は、
心と体のつながりについて、
そして、
「人生の甘さが抜けていく感覚」と
血糖値の関係についてお話しします。
▶第1話|糖質制限では体は良くならなかった——制限と我慢で失ったもの
▶第2話|糖質を排除したことで、体のエネルギー循環が止まっていた(この記事)
▶ 第3話|心と体はつながっている——血糖値はストレスでも上がる
▶第4話|人生の甘さが抜けるのはなぜか——無価値感がつくる心と体の状態
▶第5話|人生の甘さを取り戻すということ|制限ではなく「受け取る」へ






