第3話:断ると嫌われる?NOが言えない人の心の仕組み

境界線が引けないイメージ

あの人とは距離をとりたい・・
境界線を引こうとすると、
なぜこんなにも怖くなるのでしょうか。

「断ったら嫌われる」
「距離を取ったら関係が壊れる」
「NOと言ったら見捨てられる」

頭では必要だとわかっているのに、
心と体が止めに入る。

そんな感覚はありませんか。

これは意志が弱いのではありません。
多くの場合、
親との関係の中で身についた心の反応です。


■ 私たちはまず、親に愛されて生き延びる

子どもにとって、
親との関係は安心そのものです。

愛されることは安全。
受け入れられることは居場所があるということ。

だから心の奥には、

「愛されたい」
「認めてほしい」
「あなたがいてよかったと思ってほしい」

という強い願いがあります。

これはわがままではなく、
生きるための本能です。


■ 親の価値観は、心の中にそのまま入る

親は、長い時間そばにいる存在です。

親の言葉
親の機嫌
親の期待
親の判断

それらは子どもの心に直接入ります。

子どもは選べません。
拒めません。
距離を取れません。

だから時に、
心の境界線を越えて入り込む形になります。

でもそれは当時のあなたにとって
必要な適応でした。


■ 親子の境界線は最初はあいまいで正常

親子は最初、一体です。

赤ちゃんは親の腕の中で生き、
親の表情で世界を感じます。

そこから少しずつ、

私は私
あなたはあなた

という線が育っていきます。

これが境界線の成長です。


■ 境界線は「尊重」で育つ

境界線は、
反抗で育つのではありません。

尊重で育ちます。

  • 気持ちを聞いてもらえる
  • 違っても大丈夫と言われる
  • 意見を持っていいと扱われる

この積み重ねで、

「私は私でいい」
という感覚が育ちます。


■ 境界線が育たなかった場合に起きること

もし、

  • 否定が多かった
  • 支配が強かった
  • 感情を許されなかった
  • 親の期待優先だった

こうした環境では、

境界線が弱いまま大人になります。

すると心はこう学びます。

嫌われる=危険
逆らう=危険
断る=関係喪失

だからNOが言えないのです。


■ たとえば、こんな場面です

本当は無理なのに、
頼まれると引き受けてしまう。

本当は嫌なのに、
笑って合わせてしまう。

断ったあと、
強い罪悪感が出る。

これは現在の出来事ではなく、
過去の関係記憶が反応している状態です。


■ この心の動きは、モラハラ関係でも強く出る

嫌われる恐怖が強い人ほど、
支配的な相手の要求を断れなくなります。

そして、

「私が悪いのかもしれない」
という思考が動き始めます。

この仕組みを詳しく書いたのが、こちらの記事です。

▶ モラハラ夫に悩んでいるあなたへ|「私が悪い」と思ってしまう心の仕組み


■ 境界線は、関係を壊すためではない

境界線は、
関係を切るためのものではありません。

関係を健全に保つためのものです。

距離を取ることは、
拒絶ではありません。

自分を守りながら関わる方法です。


■ 次回はここを扱います

第4話では、どうすれば
怖さを越えて境界線を育てていけるのか。

次の記事では、
「いい人をやめられない心のクセ」
について扱います。