あの人とは距離をとりたい・・
境界線を引こうとすると、
なぜこんなにも怖くなるのでしょうか。
「断ったら嫌われる」
「距離を取ったら関係が壊れる」
「NOと言ったら見捨てられる」
頭では必要だとわかっているのに、
心と体が止めに入る。
そんな感覚はありませんか。
これは意志が弱いのではありません。
多くの場合、
親との関係の中で身についた心の反応です。
■ 私たちはまず、親に愛されて生き延びる
子どもにとって、
親との関係は安心そのものです。
愛されることは安全。
受け入れられることは居場所があるということ。
だから心の奥には、
「愛されたい」
「認めてほしい」
「あなたがいてよかったと思ってほしい」
という強い願いがあります。
これはわがままではなく、
生きるための本能です。
■ 親の価値観は、心の中にそのまま入る
親は、長い時間そばにいる存在です。
親の言葉
親の機嫌
親の期待
親の判断
それらは子どもの心に直接入ります。
子どもは選べません。
拒めません。
距離を取れません。
だから時に、
心の境界線を越えて入り込む形になります。
でもそれは当時のあなたにとって
必要な適応でした。
■ 親子の境界線は最初はあいまいで正常
親子は最初、一体です。
赤ちゃんは親の腕の中で生き、
親の表情で世界を感じます。
そこから少しずつ、
私は私
あなたはあなた
という線が育っていきます。
これが境界線の成長です。
■ 境界線は「尊重」で育つ
境界線は、
反抗で育つのではありません。
尊重で育ちます。
- 気持ちを聞いてもらえる
- 違っても大丈夫と言われる
- 意見を持っていいと扱われる
この積み重ねで、
「私は私でいい」
という感覚が育ちます。
■ 境界線が育たなかった場合に起きること
もし、
- 否定が多かった
- 支配が強かった
- 感情を許されなかった
- 親の期待優先だった
こうした環境では、
境界線が弱いまま大人になります。
すると心はこう学びます。
嫌われる=危険
逆らう=危険
断る=関係喪失
だからNOが言えないのです。
■ たとえば、こんな場面です
本当は無理なのに、
頼まれると引き受けてしまう。
本当は嫌なのに、
笑って合わせてしまう。
断ったあと、
強い罪悪感が出る。
これは現在の出来事ではなく、
過去の関係記憶が反応している状態です。
■ この心の動きは、モラハラ関係でも強く出る
嫌われる恐怖が強い人ほど、
支配的な相手の要求を断れなくなります。
そして、
「私が悪いのかもしれない」
という思考が動き始めます。
この仕組みを詳しく書いたのが、こちらの記事です。
▶ モラハラ夫に悩んでいるあなたへ|「私が悪い」と思ってしまう心の仕組み
■ 境界線は、関係を壊すためではない
境界線は、
関係を切るためのものではありません。
関係を健全に保つためのものです。
距離を取ることは、
拒絶ではありません。
自分を守りながら関わる方法です。
■ 次回はここを扱います
第4話では、どうすれば
怖さを越えて境界線を育てていけるのか。
次の記事では、
「いい人をやめられない心のクセ」
について扱います。
