おいしい料理を出さなきゃ、
部屋はいつも掃除が行き届いていないと・・
寝る前には絵本の読み聞かせをしてあげなきゃ
子どものことを考えているつもりで、
実は――
自分のことしか考えていなかった
そんなことに、あとから気づくことがあります。
「おいしい料理を出さなきゃ」
「家はいつもキレイにしていなきゃ」
「情緒が安定した子になってほしい」
それは一見、
子どものためのように見えますよね。
でも、その奥をよく見てみると、
・ダメな母親だと思われたくない
・周りから評価を下げられたくない
・自分を否定されたくない
そんな自分を守る気持ちが
強く働いていることがあります。
決して、悪いことではありません。
誰だって、そうです。
ただ――
その基準が厳しすぎると、
一番苦しくなるのは、母親である自分自身です。
そして、そのピリピリした空気は、
知らず知らずのうちに、
子どもにも伝わってしまいます。
私が伝えたい大事なこと
「いい母親でいなきゃ」という思いは、
子どもを大切にしている証でもあります。
でも同時に、
自分が安心したいだけだった
自分が責められたくなかっただけだった
という側面があることに気づけたら、
それだけで、子育ては少し変わります。
「今日はお惣菜でもいい」
「部屋が散らかっていてもいい」
「疲れている自分がいてもいい」
そう自分に許せたとき、
子どもにも、
「そのままでいいよ」というメッセージが
自然と伝わっていきます。
子どものため、と思って頑張ってきたことが、
実は「ちゃんとした母親でいたい自分」のためだった。
そう気づいたとしても、どうか自分を責めないでください。
それは、あなたが子どもを愛する親だからです。
頑張りすぎていたのです。
手を抜きたかったわけでもありません。
むしろ、手を抜くと、ダメな親だねと
責められる気がしたからです。
もし今日、
完璧な料理ができなくても、
部屋が散らかっていても、
笑顔でいられなくても。
それだけで、親としての価値が下がるのではありません。
昔につくられた理想像に縛られていたことに気づいた今
もう少し、自分にやさしくしていいのです。
そのほうがきっと、
子どもにとっても、あたたかい時間になります。