人の感情に敏感すぎて疲れてしまうあなたへ― HSP気質の人に多い心の反応とは

人のちょっとした表情や、声のトーンが気になって
「今の言い方、まずかったかな」
「相手、怒っていないかな」
そんなふうに、頭の中で何度も考えてしまうことはありませんか。

その場では何も起きていないのに、
あとから思い返して、どっと疲れてしまう。
人と会ったあと、理由もわからないまま、ぐったりしてしまう。

それは、あなたが弱いからでも、
気にしすぎな性格だからでもありません。


人の感情に敏感な人の心の中で起きていること

あなたは、とても人の感情に敏感な人なのだと思います。

気づくと、心の中は相手のことでいっぱいになっていて、
「自分はどう感じているか」よりも、
「相手はどう思っているか」を先に考えてしまう。

それは、あなたの優しさであり、
同時に、自分の気持ちよりも相手を優先してしまう
心のクセのようなものでもあります。


それは、あなたなりに身を守る方法だったのかもしれません

繊細で敏感な人は、これまでの人生の中で、

・自分が我慢すれば、その場がうまくおさまった
・控えめにしていたら、誰かが喜んでくれた
・波風を立てずにすんで、安心できた

そんな経験を、いくつも重ねてきたのかもしれません。

遠慮したり、我慢したりすることで、
その場の空気を守り、
自分の身を守ることができた。

いつの間にか、
「こうしている自分が、自分らしい」
そう思うようになったとしても、不思議ではありません。


HSP気質の人に多い心の反応

こうした心の反応は、
HSP(感受性が高い気質)の人に多く見られる傾向でもあります。

これは、良い・悪いの話ではありません。
ただ、そういう感じ方をしやすい、というだけのことです。

HSPという言葉を知って、
「やっぱり自分は生きづらいんだ」
「この先も、ずっとしんどいままなのかな」
そんなふうに、落ち込んでしまう人もいます。

たしかに、HSP気質の人は
人の感情や場の空気、ちょっとした変化に敏感で、
無意識のうちに多くの情報を受け取っています。

心のしくみの視点から見ると、
これは単なる「性格」ではなく、
脳と心がそう「反応するクセ」が身についている状態とも言えます。

たとえば、
子どもの頃に
・我慢したら怒られずにすんだ
・空気を読んだら、その場が穏やかになった
・感情を出すより、抑えたほうが安心だった

そんな経験を重ねると、
心は「こうすれば安全だ」と学習します。

その結果、
相手の感情を先に察知する
自分の気持ちより場の空気を優先する
という反応が、考える前に自動的に起こるようになるのです。

つまり、
HSPだから生きづらいというより
HSP気質を持つあなたが、これまでの人生を生き抜くために身につけてきた心の反応が今もなお続いているから、生きづらいのです。

この反応は、
あなたを苦しめるためにあるものではありません。
かつては、あなたを守るために必要だった働きでした。

そして、心のしくみを理解していくことで、
その反応に「気づく」ことができるようになると、
同じ出来事でも、感じ方や疲れ方は
少しずつ変わっていきます。

おわりに

もし今、
「どうしてこんなに疲れてしまうんだろう」
「自分の気持ちが、よくわからない」
そう感じているなら、

一人で答えを出そうとしなくて大丈夫です。

話すことで、
自分でも気づいていなかった心の反応が、
そっと見えてくることがあります。

人に気を遣いすぎてしまうのも、
自分を後回しにしてきたのも、
あなたなりに、これまでを生き抜いてきた結果です。

だからこそ、
「一人でどうにかしよう」としなくて大丈夫です。

話しながら、
心の中で何が起きているのかを、
一緒に整理していく時間があります。

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