以前書いた、つわりがとてもつらそうな社員さんの話です。
私はその後、
「これはマタハラでは?」と感じた出来事がありました。
それは――
会社にマタニティー用の制服がなかったこと。
制度がなくても、我慢で乗り切ってきた人たち
妊娠しても働き続けた女性は、これまでもいたはずです。
では、その方たちはどうしていたのか。
聞いてみると、こうでした。
ウエストの大きいボトムを借りて、
ボタンを外し、
ベルトで締めて、
上着でお腹を隠す。
つまり――
工夫と我慢で乗り切っていた。
それだけです。
「前例がない」は、配慮しない理由になる?
制服着用が必須の職種なら、
なおさら対応が必要なはずです。
でも現実は、
「今まで何とかなってきた」
「みんなそうしてきた」
この一言で片づけられる。
制度がない。
準備もない。
選択肢もない。
これは表立った意地悪ではありません。
でも、確実に働く人を追い詰めます。
ハラスメントは“悪意ある言葉”だけではない
マタハラというと、
きつい言葉
冷たい態度
露骨な圧力
を想像しがちです。
でも実際は、
仕組みがない
配慮がない
選択肢がない
これも立派な心理的圧力になります。
声を上げにくい人ほど、先に辞めていきます。
我慢できる人から、静かに辞めていく
まじめで責任感のある人ほど、
「迷惑をかけたくない」
「言いにくい」
「波風を立てたくない」
そう思って、何も言わずに去ります。
結果として職場には、
声を上げられる人ではなく、
我慢できる人だけが減っていく。
これは組織にとっても損失です。
言えない人が悪いのではない
ここで大切なのは、
言えなかった人が弱いのではない、
ということです。
言えなくなる空気。
言えなくなる構造。
言えなくなる関係性。
それが問題です。
そして同時に、
もしあなたが今
「言えない側」にいるなら――
あなたの心を守る視点も必要です。
我慢だけが、正解ではありません。
関連記事
職場の空気に合わせすぎてしまう人ほど、
心の疲労に気づきにくいことがあります。
▶ 職場で言いたいことが言えない人へ
▶ 心の境界線が弱くなると起きること
▶ 人間関係で消耗しやすい人の共通点
「まだ足りない」「迷惑をかけてはいけない」と思い続けてしまう背景には、同じ心のクセがあります。
