幸せになりたいのに苦しい理由~「幸せであるべき」が心を追い詰める心理
「幸せになりたいのに、どうしてつらい目に遭うんだろう」
「前向きに考えているのに、気持ちは晴れない」
そんなふうに感じることはありませんか?
実はこの“幸せになりたいのに苦しい”という矛盾には、潜在意識と脳のしくみが深く関係しています。
私たちは無意識のうちに、
「私は幸せであるべき」
「常にポジティブでいなければ」と自分にプレッシャーをかけています。
けれども、その思考の裏には、「今の自分は幸せではない」という前提が隠れているのです。
脳はとても素直過ぎるしくみを持っています。
「私は幸せにならなきゃ~、なっていいのよー」と思っていると
脳は「ということは、今の自分は幸せではないのですね?」と動き出し、
現実にその証拠を探し始めるのです。
それで、人間関係の小さな行き違い、思い通りにいかない現実、誰かの何気ない言葉に落ち込む・・。
そのような現実を拾い集めてくれるものだから、表の自分は「ほら、やっぱり私は幸せではないのよ」とつぶやくのです。
その結果、「幸せになりたい」と願えば願うほど「不幸である自分」を強化してしまうという逆説が起こります。
さらに、「負の感情=悪いもの」と信じてしまうと、悲しみや怒り、不安などの自然な感情を遠ざけようとします。
「こんな気持ちになっちゃいけない」「前向きでいなきゃ」「こんなことで怒るなんて、私はなんて器が小さいのだ」
と自分を責めるほど、心は苦しくなります。
潜在意識の中では、「悲しい」「苦しい」という本音が押し込められ、エネルギーが滞っていくのです。
これが、心や体の不調として表れることもあります。
本当の幸せとは、「いつも幸せでいなければ」という状態ではありません。
悲しみも怒りも、不安も喜びも、湧き上がる感情すべてが“生きている証”です。
それらを否定せず、「今の自分をそのまま感じていい」と許したとき、心は自然にゆるみます。
そこから生まれる安心感こそが、本物の幸せの土台になるのです。
だからこそ、「幸せになりたい」と思ったときこそ、「本当はもう幸せなんじゃないか?」「落ち込んでも大丈夫」と自分に言ってあげてください。
その優しいひと言が、あなたの潜在意識に新しいメッセージを届けます。
「私は今のままで幸せを感じることができる」──
その感覚が芽生えた瞬間から、心の中に静かな光が灯りはじめるでしょう。
最後に一つ、あなたに伝えたいことがあります。
幸せは「なるもの」ではなく、「感じるもの」です。
今日という日も、少し立ち止まって“今ここ”の自分を感じてみてください。
つまり、今日できることを、今日やってみる。
それが、潜在意識を癒し、幸せを呼び戻す第一歩です。
