高校生になってもおねしょをする子──それは「怠け」ではなく「心のSOS」かもしれない


ある高校生の女の子が、今も夜中におねしょをしてしまうという話を聞きました。 「高校生なのに?」と思われる方もいるかもしれません。

でも、それは単なる“甘え”や“だらしなさ”では済まされない、深い背景があるのかもしれません。


その子は3人きょうだいの末っ子。お母さんはシングルマザーで、家計を支えるために仕事を3つ掛け持ちしています。兄は潔癖症で現在は、仕事のため家を出ているそうです。

おねしょをしたあとの下着を洗うことができず、こっそり部屋に隠してしまう。

そんなことが続いていると聞きました。部屋にはその影響でにおいが残ってしまっているそうです。

幼少期の頃は「見つかったらどうしよう」「怒られるかもしれない」と思って、自分でもどうしたらいいか分からないまま、隠すという行動を選んでしまうのかもしれません。

お母さんが病院に行こうとすすめても拒否しているようです。

お母さん自身も「私、臭くない?」と人に尋ねるなど、自身の衛生や評価に不安を抱えている様子。お母さんも自分がどう思われているのか気になる人のようです。

家族は以前、汚部屋状態だった祖父母の家に一時的に住んでおり、現在は子どもたちとともに独立して生活しています。


限られた情報なので、一般的なお話になると思いますが、私なりの見立てをします。

思春期にまで続く夜尿症(おねしょ)は、医学的な要因のほかに、心理的なストレスが関係していることが少なくありません。

この女の子の場合
・家庭内での緊張
・母親との関係
・自己肯定感の低さ
そして
・誰にも言えない羞恥心や孤独感

が積み重なっている可能性があります。別れた父親のことをどう思っているのかも知りたいところです。

部屋に隠された下着は、「助けて」「やさしくして」と言えない心が表れた“無言のサイン”なのかもしれません。

お母さんもまた、厳しい環境の中で精一杯子どもを育てておられる方です。しかし、常に強い態度で子どもに接していたり、怒りをぶつけたりすることで、子どもは緊張してしまい、本音を隠すようになってしまうこともあったのかもしれません。

ストレスが続くと心と体はつねに緊張状態になり、戦闘モードになります。そのままの緊張を娘さんが受け継いで、おねしよをしてしまうのかもしれません。

親自身が抱えるストレスや過去の経験が、知らず知らずのうちに子どもの心の負担となってしまう──そんな“感情の連鎖”が、このケースには見え隠れしています。

大人はつい子どもの問題行動として目を向けがちですが、実は親との関わりの
ズレをSOSとして発しているのかもしれません。

「おねしょをするなんてだらしない」「パンツを隠すなんて不潔」──そんなふうに責めるのではなく、

私なら、何かメリットがあるからおねしょをしてしまうのでは?と考えます。

「この子が高校生になってもおねしょをするのは、何のメリットがあるのだろう」
お母さんにとって「娘のおねしょが治らないということで、何のメリットがあるのだろう」という視点で見つめてみます。

メリットがあるから現状を維持してしまうのです。