「カウンセリングって、話すだけですよね?」
「それで何か変わるんですか?」
これは、とても自然な疑問です。
実際、初めて来られる方の多くが、同じことを思っています。
答えを先に言うと、
話すこと自体に、心を整える力があるからです。
私たちは、思っている以上に「ひとりで抱えている」
つらい気持ちがあるとき、
人は意外と、それを言葉にできません。
- 何がつらいのか、うまく説明できない
- 話そうとすると、涙が出てしまう
- 「こんなことで悩むなんて」と自分を止めてしまう
その結果、
頭の中でぐるぐる考え続けることになります。
でも、考えているだけでは、
気持ちはなかなか整理されません。
話すと、気持ちが「外」に出る
カウンセリングで起きていることは、
とてもシンプルです。
心の中にあったものを、
言葉にして、外に出しているだけ。
それだけで、
- 頭の中が少し静かになる
- 気持ちと距離ができる
- 「あ、私こんなふうに感じてたんだ」と気づく
ことが起こります。
★ 話す=解決するではありません。
★ 話す=整理が始まる、です。
アドバイスをしないから、楽になる
意外に思われるかもしれませんが、
カウンセリングでは、
すぐに答えや正解を出そうとしません。
なぜなら、
- 「こうすべき」と言われると苦しくなる
- 正しい答えがわからず、また自分を責めてしまう
- 本当の気持ちが置き去りになる
ことが多いからです。
ただ話す。
遮られずに話す。
評価されずに話す。
それだけで、
「ちゃんと受け止めてもらえた」という感覚が生まれます。
この感覚が、
心をゆるめてくれます。
話しているうちに、自然と気づくことがある
カウンセリングの不思議なところは、
話している途中で、
「…あれ? 私、ずっと我慢してたんだ」
「本当は、怒ってたのかもしれない」
と、自分で気づく瞬間があることです。
誰かに教えられるのではなく、
自分の口から出た言葉で、
自分が気づく。
これが、とても大きいのです。
「話すだけで楽になる」は、弱さではない
「話すだけで楽になるなんて、甘えでは?」
そう思う人もいるかもしれません。
でも実は、
- 話せずに我慢し続けるほうが、心には負担
- 強い人ほど、限界までひとりで抱える
- 言葉にできるのは、回復が始まっているサイン
です。
話すことで楽になるのは、
心がちゃんと反応している証拠。
決して、おかしなことではありません。
うまく話せなくても、大丈夫
「何を話せばいいかわからない」
「まとまっていない」
それでも大丈夫です。
まとまっていないまま話すからこそ、
少しずつ整理されていきます。
泣いてもいい。
言葉につまってもいい。
同じ話を何度してもいい。
カウンセリングは、
うまく話す場所ではありません。
もし、今つらさを抱えているなら
今の気持ちを、
誰かにちゃんと聞いてもらった記憶はありますか?
「大したことないよ」
「考えすぎじゃない?」
そう言われて、
余計につらくなったことはありませんか?
カウンセリングは、
気持ちを否定されない場所です。
話すことで、
すぐに人生が変わるわけではありません。
でも、
心が少し軽くなる
その積み重ねが、次の一歩につながります。