潜在意識

「私、失敗しないので」が失敗を招いてしまう脳のしくみ

今日は少しおもしろい心理学の話題をお届けします。
よく「脳は主語を認識できない」と言われることがあります。これはどういう意味なのでしょうか?

例えば某有名な天才外科医のドラマ「私、失敗しないので」のセリフ。
命を預けている患者やその家族にとって、医者がこう言ってくれると
本当に安心しますよね。信じようと思いますよね。

でも言っている人の脳の仕組みから見ると、脳は「主語の違い」をうまく区別できず、ただ「失敗」というイメージをそのまま受け取ってしまうのです。
これはまるで、テレビの実況中継を“音声だけ”で聞いているようなものです。

実況アナウンサーが「おっと、ミスが出てしまいました!」と言っても、もし映像がなければ、「あ、誰かがミスしたんだ」としか理解できません。「A選手」なのか「B選手」なのかをきちんと区別するのは難しい。
ましてや、そのミスがどちらのチームにとって有利になったのか、どちらのチームが不利になったのか?曖昧ですよね。もしかしたら、なんの競技があっているのかさえ、わからないかもしれません。

脳も同じで、「誰が」という主語の部分よりも、「何が起きたか(失敗、成功、喜び、悲しみ)」という“内容そのもの”を強く受け取るのです。

自分に跳ね返ってくる言葉

だからこそ「あの人はダメだ」と口にしたつもりでも、脳の中では「ダメ」というイメージが強調され、まるで自分に向けて言った言葉のように影響を与えてしまうことがあります。

現実とは「自分の思考が投影されて」起きています。自分の価値観が現実をつくっているんです。
ということは、結局脳は「自分をダメだ」と思ってしまうので、

「Aさんってダメ、無能!」などと、例えAさんを責めていても、主語がわからない脳はそれは「自分のこと」と思ってしまうので、あなたも他人から「ホント、デキない人ね・・」と思われるような、失敗をやってしまっている、という心あたりはありませんか?

つまり、相手を責めているつもりでも。相手を「あの人は、ダメな人」と、声に出さずに心の中で呟いているだけでも。
真っ先にそれを認識しているのは、自分の脳。

相手を責めたり、あの人はこんな人と決めつけてしまうと、そのつぶやきは自分に返ってきているということなんです。

まとめ
「脳は主語を認識できない」というのは、
言葉の矛先が自分か他人かに関わらず、その内容を自分のものとして受け取ってしまうということ。

「私は料理が苦手だから」
「私は人前で話すとき、緊張するから」
「あの人はのろまで迷惑ばかりかけてる」

脳は、主語だけではなく、時間の観念もありません。
先月に起きた事を思い出している時、
脳は「しょっちゅう」起きている「ずっと」起きていると思ってしまいます。

「苦手」「緊張」「のろま」「迷惑」の言葉を呟けば呟くほど、
自分はこういう人だ、自分はいつもこんなだと、決めつけて
自分がそういう言動をしてしまいます。

それが自分の周りの人に投影されます。

結局、自分の周りには自分に似た人ばかりです(類は友を呼ぶ)

「掃き溜めの中に鶴」いいます。鶴は「自分はあの人とは違う」と思っているのかもしれませんが、鶴なのか?掃き溜めなのか?傍から見ている人からは区別がつかないものなのです。

※画像は鶴ではなく白鳥でーす



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